INPIT茨城県知財総合支援窓口・株式会社ひたちなかテクノセンター
農業分野における知的財産の重要性について、育成者権、地理的表示保護制度(GI)を中心に、実例を交えて紹介します。
県内の農林水産業に携わる人達に、海外における模倣品の現状を知らせ、知的財産の保護に対する意識の啓発と、保護の重要性を訴えます。また、出口戦略を踏まえて、共同研究・共同開発の際の留意点を解説します。
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知財セミナー 報告書
1. 開催日時
2024年12月06日 於 茨城県農業総合センター
共催:公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会(JATAFF)、INPIT茨城県知財総合支援窓口・株式会社ひたちなかテクノセンター
後援:茨城県、関東経産局
2.知財セミナーの概要
(1)タイトル
「出口戦略を見据えた農業分野の知財戦略 ~農水知財の使い方~」
(2)参加人数等
茨城県農業総合センターの職員及び一般企業の方を含めた約30名の方に受講いただきました。
(3)セミナーの内容
第1部では、JATAFFの永田明様より、育成者権及びGIを中心に農業分野における知的財産の制度とその重要性について、各制度の背景や海外での模倣の実態も含めて詳しくご説明いただきました。
第2部では、農業分野における知的財産権の活用方法を具体的な事例に基づき解説しました。遺伝子特許、育成者権と商標権との比較、GIと地域団体商標との比較を含めて、各知的財産権が有する特徴が明らかになるように解説しました。第2部では、共同研究及び共同出願における注意点について、具体的な事例に基づき解説しました。契約締結の前に調査すること、契約の種類や契約の内容で注意すべき点を含めて解説しました。
(4)知財無料相談
一般企業から、「自分が開発した品種と、当社が輸入販売している種苗とが似ている」というクレームがとある育成者から寄せられ、比較試験を行うための種苗の提供を依頼してもこれに応じてこないため、対応に苦慮しているとの相談があり、農水省の知財課種苗室に相談し、課の意見として対処を要請するのがよいのではないかと回答しました。
3.アンケート結果
アンケートの結果より、受講者の8割以上が「知財セミナーに参加したのは初めて」でしたが、第1部及び第2部ともに「理解できた」割合は8割以上であり、「セミナーの内容を今後の業務に生かしたい」との感想をいただきました。
具体的なコメントとしては、「全体的な現在の状況について知識を更新できた(第1部)」、「具体的な事例を交えた説明がわかりやすかった(第2部)」、「共同研究についてとても参考になった(第2部)」とのご意見をいただきました。
4.今後に向けて
今後受講したいテーマとしては、「知財全般の基礎知識」、「特許・実用新案」、「知財に配慮した商品開発」を多くの方に挙げていただいたため、今後のセミナーでこれらのテーマを取り上げることを検討したいと思います。
以上